英語の先生がzoomでレッスンをしようとするとき、何から始めたらよいのか。
これからZoomレッスンをしてみようという方のヒントになるようにと始めた連載です。お役に立てたら幸いです。
第3回 どんな形でレッスンをしたいのか具体的に考えてみよう。
第4回 ホストとしてミーティングを主催できる環境を整えよう。
第5回 招待する生徒さんのご家庭からZoomに参加できるか確認しよう。
第8回 フォローアップをしよう。
今回は、6回目。
さぁ、準備はできました。つないでみましょう。今回は接続テストです。
接続テストは、まぁ言ってみれば運試しです(笑) 運が良ければ何も起こらず、ついてないときはいろいろ起こる。これまでの過程で、起こりそうな問題の原因はできるだけ取り除いてきました。あとは「終わったら何食べよう?」とでも考えながら気楽に臨みましょう。
何が起こっても「こんなの予想の範疇ですことよ」って顔ですましてできることをやり、無理なことは「今は解決できませんが、持ち帰って確認します」と潔く認めて事後解決すればOK!
1. いつ?
2. だれと?
3. 何人くらいで何をどのくらいの長さするもの?
4. どのように参加者を待つか?
5. 最も多いトラブル
6. そのほかによく起こるトラブル
7. 接続テストの際にお伝えするとよいこと
8. 接続テストの案内には何を書けばいい?
9. 接続テストがうまくいかなかった場合
先生、生徒ともにオンライン環境の準備がそろって、保護者の理解も得られたらいつでもかまいません。できればネットワークの状況をレッスン時に近いものにするために、レッスンと同じ時間帯にするとよいでしょう。ですが、急ぐ場合はそんなこと言ってられませんから、その場合は仕方ないということにします。
接続テスト後そのままレッスンを、というのは避けた方が賢明です。トラブルが発生したときの対処時間が読めませんし、そうしたことでレッスン料を頂戴している時には不満の声が上がることでしょう。
時刻はテスト開始時刻としてお伝えし、5分前スタンバイをお願いしましょう。1日に接続テストは何回までという制限はありませんが、自身の体力・気力に合わせ上限回数を決めること。無理は禁物です。
テストとテストの間は1時間以上開けるといいでしょう。テスト開始がもたついて多少時間が伸びることはよくありますし、テスト環境を最初の状態に戻したり、スマホやタブレットを充電したり、という時間が必要です。
だれに接続テストに参加してもらうか。テストの参加者は、①生徒さん自身 ②毎回接続作業する人 が必須です。できれば③初回だけ普段連絡を取る保護者の方も。初回だけ心配だからと ④ほかのご家族 に応援を求めることもあるでしょう。なんてことはない接続テストですが、ご家庭にとってはとてもプレッシャーになることもあります。そんな大仰にする必要はないのですが、ご心配なら必要なだけの方に一緒にいらしてもらって構いません。
①生徒※必須
ミーティングルームに参加してからは、必ずレッスン中に実際に操作する生徒自身に操作してもらいましょう。
②毎回接続する人※必須(生徒さん本人のこともあれば、保護者の方やごきょうだいの場合もある)
ミーティングルームに参加するまでの接続をする方です。小さなお子さんは保護者の方が操作することもあるでしょう。
③普段連絡を取る保護者の方
様子を見守っていただきます。Zoomが十分使えそうだなと感じていただき、お子さんの様子をご覧になっていいレッスンになりそうだなと思っていただけたら完璧です。
④ご家族の方
操作に不安がある場合は、お父さまや、お兄さん、お姉さんなどにそばにいてもらいたがることもあります。何かあったら助けようとしてくださるので頼もしい限りです。
もちろん、レッスン時は生徒さん本人だけいてもらえたらOKです。ただし、オンラインレッスンは通常レッスンと違いご家庭の中でレッスンに参加していただくので、ご家族の目・耳はどこかにあるかもしれません。少し意識しておきましょう。
接続テストは、一斉に始める場合と、一定の時間帯に自由に来てもらう方法があります。
接続を確認し、ちょっとした操作を練習するのに向いています。
集合時刻を決め、その時刻にミーティングルームに参加してもらうようにします。参加者が全員同時に先生の指示にそって操作を進めます。このやり方なら、1~10接続くらいまでがいいでしょう。1クラスの人数くらいの感覚です。同じクラスのみんなとの同時接続が楽しいものですが、もちろんそうでなくとも構いません。慣れている方なら20接続くらいまで大丈夫だと思いますが、あまりよくばらないようにしましょう。トラブルが重なってしまったら大変です。一斉に説明を進めるので先生側は楽です。テストは30分以内に終わるくらいがよいです。トラブルが起きると少々伸びますが(笑)
一斉テストでは、入退室操作のほか、ビュー操作の説明、ミュート操作、ビデオのON/OFFをやるとよいでしょう。スムーズに流れた場合は、グループレッスンをされる予定なら参加者の名前の変更方法、チャット機能の使い方、共有ホワイトボードでの入力操作方法などをやってもよいですね。これらはレッスン中にやっても構いません。その場合は操作練習が長くなりすぎないよう注意しましょう。
無料レッスンであれば、操作練習のために、またはレッスンを楽しみにしてもらうために、これらの操作を伴うアクティビティをゆっくりやるのもよいでしょう。
接続だけを確認したり、確認事項が少なかったり、そこそこ操作スキルがある生徒さんが多かったりする場合に向いています。
参加できる時間帯を決めておきます。その時間帯であればいつでも参加してよいということです。設定した時間帯の終わりごろに来る人もいるので、時間帯の終わり+αの時間がかかることを覚悟しておきましょう。
先入れ先出し方式で。来た人から順に、接続できた人の名前の確認、相手の声が聞こえて自分の話が届くか、姿がお互い見えるか、を確認するくらいで終了します。二回以上の接続もOKとするなら、二回目以降は操作確認のための自主練習という形にします。
接続確認がメインのテストですから、一人一人の対応は手短に。
一度に10接続以下ならば時間幅は30分くらいを目安に。10以上の接続の場合、1時間を最長の時間幅として、20~30接続ぐらいを上限にするといいでしょう。一時に接続が集中するのが怖ければ、10接続以下30分でいいと思います。
心持ちは授業参観(笑)、自身の見た目はこだわらず(よろしければ外見補正→シリーズ①の最後)、スマイルで。
そして、最初にミーティングルームに参加した直後に見る画面を用意しておくのはいかがでしょう。
(他に、待機室設定を使い、待機室で表示されるメッセージに伝えたいことを設定することもできます。接続テストの時に待機室機能を使うのはあまりお勧めしません。ホストが操作に不慣れだと面倒で操作をし忘れることがあります。)
私はこのような画面を共有で表示させています。
接続テストで一番起きやすいトラブルは、声が聞こえない!声も届かない!
その原因のほとんどが オーディオに参加していない ことなのです。
オーディオに参加していない原因はいくつか考えられますが、参加者の声が聞こえず、声も届かない時には、オーディオに参加してもらうことを伝えなくてはなりません。必要ならLINEや電話も使いましょう。
【対処】
・画面上であらかじめ上記のような表示を出しておく
・ホワイトボードを共有して表示させメッセージを書く
・先生がLINEや電話で伝える
・同じ参加者の方からLINE伝えてもらう
上の図以外にも、スマホやタブレットだと、ホスト(先生)の声は聞こえるのに、参加者(生徒)の声が聞こえないということがあります。マイクの使用許可を出しそびれた場合によく起こります。その場合は、スマホの設定の中でZoomがマイクを使うことを許可する必要があります。
また、お子さんのスマホやタブレットにペアレンタルコントロール設定で制限がある場合にも起こることがあります。
オーディオに参加できていて、ミュートOFFの状態でもないのにマイクだけ使えない、という状況の時には確認してみましょう。
スマートフォンでの音声トラブル
https://zoomy.info/audio_trouble_smartphone/
Androidの機種では音声トラブルの時に、再起動で直ったこともあったそうです。情報Thanks!金谷 尚美 先生(KID’S ENGLISH)
起こりやすいトラブルについて対処方法をあげておきます。
ハウリング
同じ部屋で2台以上の機器でZoomに入る場合は、ハウリングが高確率で起こります。シリーズの②でもお伝えしましたが、オーディオに参加するのは1台だけにしておきます。もしハウリングが起きてしまったら、どちらかの機器のオーディオを切断する必要があります。
PCの場合(下の画像はWindows)
<ミュート>→< コンピューターのオーディオから退出>
スマートフォン、タブレットの場合(下の画像はiPhone)
<詳細>→<オーディオの切断>
もう一つ。小さなお子さんの場合にありがちですが、画面に近づいた状態で大きな声で話すことでハウリングが生じることも。2台使ってるわけじゃないのにハウリング?という時は疑ってみてくださいな。
ノイズ、エコー
ハウリングとは違う反響音や、ジジジ、というようなノイズ音が入ることもあります。PCにつないだ機器のジャックから発する場合が多いです。ノイズの発生源がどこかは、一つずつオーディオを切りながら確認するとわかりますが、その確認は優しく。
機器の起電力が足りないときにも異常音がします。バッテリーが切れかけている人がいるかもしれません。生徒さんのご家庭には、レッスン前には十分なバッテリーの残量があるようにお伝えしておくとよいですね。
招待URLをクリックしても「起動中」から進まない
接続テストの案内にURLを入れている場合、そのURLからのZoom起動だとうまくいかないときがあります。その場合は起動中の状態をいったん強制終了させて、直接Zoomアプリを起動して、ミーティングIDとパスワードを入れるように促します。
私もそうしていますが、初めからURLは送らないというのも手です。URLからの起動は、ミーティングに参加してからしか参加者名を変更できませんしね。
スマホで操作の途中で動作中のくるくる表示がずっと続く
強制終了させて、再起動します。
PCでビデオが映らない
PCのカメラが故障しておらず、他のアプリではちゃんと動作している場合、カメラの使用権が解放されていない可能性があります。スカイプを使っている方ではよく起こります。スカイプなどを終了させてもカメラが使用できないときは、一度再起動しましょう。
ノートPCの場合、カメラにスライドするシャッターがついている機種もあります。これは物理的にスライドさせて開ければ見ることができます。
そもそもビデオカメラが付いていないということもたまにあります。その場合はカメラが検出されない、というメッセージが出ます。その場合は、とりあえず音声だけで参加していただきましょう。こちらの姿は見えています。
PCで画面がブラックアウトする
これはOSやZoomに更新すべきプログラムがあるのに更新されていない場合に起こりがちです。もし起きてしまったら再起動し、それでもだめなら日を改めてもらいましょう。
iPhoneの画面が横長置きにしたら体も横になってしまう
画面にロックがかかっています。それを外しましょう。
生徒の家の通信状況が不安定だ
通信状況が不安定になる理由はいくつもあります。まずは不安定かどうかを確かめましょう。
Zoomで参加者のネットワーク状況を確認する方法
https://zoomy.info/how_to_confirm_wifi/
もしそれで、不安定な状況であればこちらを参考にしてみてください。URLをそのまま生徒さんのご家庭にお伝えするといいと思います。
インターネット回線が不安定で、Zoomが使えない時の対処法
https://zoomy.info/internet_unstable/
マイクの感度がよいので結構いろんな音を拾います。生徒さんのご家庭での会話が聞こえてくることも多く、家庭の様子が垣間見えて時々これは聞こえない方がいいんじゃないかなあ、ということも(笑) 声や生活音が聞こえるものだということをやんわりお伝えしておくといいかもしれませんね。
また、画面への映り込み方も気になる場合があります。お子さんが操作されている時は親御さんは少し離れていても大丈夫。ただ「離れていてください」と言うと角が立つなら、生徒さんに手を振らせるなどして「危ないので」とかクッション言葉をはさむなど配慮されるといいと思います。
すでにオンラインレッスンをすることに同意を得ていて、Zoomのインストール依頼を終えているならば、接続テストに関することのみを書けばよいでしょう。事前テストはやるとよりスムーズですが、やらなくても問題ありません。
=文面例=
サンプルです。そのままお使いになる時は( )内をご自身のもの変えてお使いください。
件名:(日付)Zoom接続テストのご案内
こんにちは。
(教室名)の(名前)です。
オンラインレッスンにご理解、ご協力くださいましてありがとうございます。Zoom接続テストのご案内です。
接続テストは、下記の要領で行います。
日時:(日付・時刻)
所要時間:(所要時間)分程度
今回の接続テストの対象は、(クラス名や名前など)です。
◆事前テスト
もし可能でしたら事前にテストを行っておいてください。
つながれば接続はOKです。
退室操作もできます。
やり方はこちらをご覧ください。
◆接続テスト本番
(時刻)より5分程前にご準備ください。静かな部屋だとよく聞こえると思います。お家の中で通信状態がいい場所だと音が途切れたりすることも少ないです。
レッスンに参加する生徒さん本人と、これからいつもZoom接続操作をされる方がご参加ください。
タブレット、スマホ、PCいずれかでどうぞ。
【手順】
①Zoomを起動して<参加ボタン>を選びます。
②ミーティングIDのところに
ミーティングID:(9桁のミーティングID)
この数字を入力します。
③ミーティングIDの下の入力欄に
生徒名を入力します。
④参加オプションはすべてオフにしてください。
⑤<参加ボタン>を選びます。
⑥パスワードを入力します。
パスワード: (6桁のパスワード)
そのあとは接続してから説明します。
接続後はそのままお待ちください。
よろしくお願いします。
本レッスンまでに、予定を調整して再度接続テストをしておいた方がいいと思います。うまくいかなかった原因は、インターネット検索したり、詳しい人にアドバイスをもらったりしましょう。
皆さん運がいいことを祈ります^^
こちらは追記しました。
Zoomについて知りたいことを探しやすいサイトです。
ZOOM + a
Web会議システムZoom と 授業支援システムを使った遠隔授業を行うためのページ
https://zoom.les.cmc.osaka-u.ac.jp
次回は、レッスン準備についてまとめます。